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トランザクションロック機能の使い方

指定した日付以前の取引データを確定し、損益計算の結果を保護するトランザクションロック機能の使い方を解説します。ロック後の制約、損益計算との関係、事後登録取引への対応方法を説明します。

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transaction-lock 損益計算 仕訳出力 会計

トランザクションロック機能

トランザクションロックとは

トランザクションロックは、指定した日付以前の取引データを確定し、損益計算の結果を保護する機能です。ロックされた取引は編集・削除ができなくなり、損益の再計算からも除外されます。

会計期末の締め作業や、会計システムへの仕訳出力後にデータを保護する用途で使用します。

ロックのタイミング

損益計算の結果を確認し、必要な修正を行った後にロックしてください。推奨フローは以下の通りです。

損益計算 → 結果確認・修正 → ロック → 仕訳出力

原価計算方式によりロックの頻度が異なります。

  • 移動平均法 --- 月次で都度ロックする運用も、年次でまとめてロックする運用も可能です
  • 総平均法 --- 年度末に年次でロックしてください。総平均法は年間を通じて平均取得価額が確定するため、月次ロックには対応していません

重要: ロック済みの取引は、その後に未ロック取引が新たに登録されても、数値(平均取得価額・簿価・損益)が変更されることはありません。ロック済み取引の確定値は常に保護されます。


ロックの基本操作

ロックの設定

/transaction-lock 画面で日付を指定し、ロックを設定します。指定した日付以前の全取引が一括でロックされます。

  • ロック日は過去の日付のみ指定可能です
  • ロック済み取引には取引一覧でロックアイコンが表示されます

ロックの解除

同じ画面からロックを解除できます。ロックを解除すると、全取引が編集・削除可能な状態に戻り、損益の再計算対象になります。

ロック日の変更

ロック日を後ろにずらす(拡大)、前にずらす(縮小)、全解除のいずれも可能です。ロック日を前にずらした場合、対象外になった取引は再計算対象に戻ります。


ロック後にできなくなること

操作説明
取引の編集金額・日付・取引タイプ・勘定科目・税区分等の変更ができません
取引の削除ロック済み取引は削除できません
取引のバンドル・アンバンドルロック済み取引を含むバンドル操作はできません
タグの追加・削除ロック済み取引へのタグ操作はできません
開始残高の編集ロック設定がある限り、開始残高の追加・編集・削除はできません
ウォレットの削除ロック済み取引を含むウォレットは削除できません。利用停止にしたい場合はアーカイブ機能をご利用ください。アーカイブされたウォレットはウォレット一括同期の対象外となり、個別同期もできなくなります

ロック後もできること

操作説明
ウォレットの新規登録新しいウォレットの追加は可能です
ウォレットの同期・CSVインポート同期やインポートによる取引の取り込みは可能です。ロック期間内の日付を持つ取引が登録された場合の影響はロック期間内への取引登録を参照してください
仕訳の出力・会計システムAPI連携ロック済み取引の仕訳出力は可能です
コメント・メモの編集損益計算に影響しないため、ロック後も編集可能です
損益計算の実行ロック済み取引の確定値はスキップされ、未ロック取引のみが再計算されます。ロック期間内の事後登録取引も計算対象です(ロック期間内への取引登録を参照)

損益計算とロックの関係

ロック済み取引の扱い

ロック済み取引の平均取得価額・残高はロック時点の値で確定し、再計算で変更されることはありません。損益計算時は、ロック済み取引をスキップし、未ロック取引のみを計算します。

各未ロック取引は直前の取引の値を引き継いで計算されます(直前がロック済みならその確定値、未ロックならその計算結果)。

注意: ロック期間中に事後登録された未ロック取引は暫定的に計算されますが、全取引を含めて再計算した場合の値とは異なる可能性があります。詳しくはロック期間内への取引登録を参照してください。

移動平均法(MAM)の場合

取引を時系列順に1件ずつ処理します。各未ロック取引は、直前の取引の平均取得価額・残高を引き継いで逐次計算されます。

例:
  ロック済み取引(平均取得価額 400,000、残高 10 ETH)
    → この値が確定値として固定
  未ロック取引(1 ETH 受取 @ 500,000 JPY)
    → 新しい平均取得価額 = (400,000×10 + 500,000) / 11 = 409,091

総平均法(WAM)の場合

年度内の全取得取引(受取・購入等)の取得額合計を、取得数量合計で割って総平均取得価額を算出します。この平均は年度全体で1つの値になり、年度内の全送付・売却取引に適用されます。

総平均法は年間を通じて初めて平均取得価額が確定するため、ロックは年度末に1回のみ行います。前年度をロックすると、前年度の期末残高・簿価が確定値として固定され、当年度の計算ではこの確定値が繰越値として使用されます。

例:
  前年度(ロック済み)の期末状態: 残高 10 ETH、平均取得価額 500,000
    → 繰越値: 10 ETH, 5,000,000 JPY

  当年度の取引:
    受取① 3 ETH @ 600,000 JPY(取得額 1,800,000)
    受取② 2 ETH @ 700,000 JPY(取得額 1,400,000)
    送付③ 5 ETH @ 800,000 JPY

  当年度の総平均取得価額 = (5,000,000 + 1,800,000 + 1,400,000) / (10 + 3 + 2) = 546,667
    → この平均が当年度の全送付取引に適用される
  送付③: 原価 = 546,667 × 5 = 2,733,333、損益 = 4,000,000 - 2,733,333 = 1,266,667

なお、総平均法では取引ごとの仕訳に損益が含まれず、暗号資産売買等損益は期末時価評価の仕訳と合わせて一括計上されます。詳しくは仕訳出力との関係を参照してください。移動平均法・総平均法の計算の仕組みについては下記も合わせてご覧ください。

平均取得価額の算定方法


ロック期間内への取引登録

概要

ロック設定後も、ウォレット同期やCSVインポートにより、ロック期間内の日付を持つ取引が新たに登録されることがあります。これは暗号資産の特性上、ブロックチェーン上の過去の取引が後から発見されるケースがあるためです。

このように事後登録された取引は「ロック済み」ではなく「未ロック」の状態で登録されます。ロック済み取引の確定値はこの影響を受けません。

確認方法: 取引管理画面でロック日以前の期間を表示し、ロックアイコンが付いていない取引がないか確認してください。ロックアイコンのない取引が事後登録取引です。

損益計算への影響

事後登録された未ロック取引は、暫定的に損益計算の対象に含まれます。暫定値になる理由は、事後登録取引を考慮せずに算出されたロック済み取引の確定値を起点に計算するためです。正確な値にするには、ロック解除 → 再計算を行ってください(後述「対応方法」を参照)。

移動平均法(MAM)の場合:

事後登録取引の位置によって影響が異なります。

事後登録取引の位置受取の場合送付の場合
ロック済み取引の計算されるが、後続のロック済み取引の確定値で状態がリセットされるため、後続取引・翌期への影響なし直前の取引の平均取得価額で損益が算出される。ただし後続のロック済み取引の確定値で状態がリセットされるため、後続取引・翌期への影響なし
ロック済み取引の平均取得価額が変動し、後続の未ロック取引の損益に影響する。後続にロック済み取引がなければ翌期にも影響する平均取得価額は変わらないが残高が変わるため、翌期の繰越残高に影響する

総平均法(WAM)の場合:

事後登録取引があると、年度全体の総平均取得価額が暫定値になります。総平均法は年間の全取得取引から1つの平均を算出する方式のため、事後登録取引を含めて再計算しなければ正確な値になりません。

対応方法

ロック期間内に未ロック取引が存在する場合、以下の方法で対応できます。いずれの方法も、まずRIKYU上で正確な損益を算出するためにロック解除 → 再計算 → 再ロックを行います。方法の違いは、再計算後に会計システム側の仕訳をどう整合させるかです。

共通ステップ: ロック解除 → 損益計算を実行 → 再ロック


総平均法の場合:

共通ステップ実施後、期末時価評価を再出力すれば整合します。総平均法は年次ロックのみで、損益仕訳も期末一括出力のため、以下の方法1〜3の選択は不要です(仕訳出力との関係を参照)。


移動平均法の場合:

共通ステップ実施後、会計システム側の仕訳の整合が必要です。会計システム側の状況に応じて方法を選択してください。

会計システム側の状況対応方法
締め済み期間への仕訳登録が可能(または未締め)で、全件再出力してよい方法1: 仕訳を再出力する
締め済み期間への仕訳登録が可能(または未締め)で、既存仕訳は残したい方法2: 簿価差分を調整仕訳で対応する
締め済み期間への仕訳登録が不可能方法3: CSV仕訳出力で仕訳日付を変更して登録する

方法1は全件やり直しのため仕訳が正確になりますが、仕訳出力済みの件数が多い場合は作業量が大きくなります。方法2は事後登録取引の仕訳と調整仕訳のみで済むため手軽ですが、調整仕訳が発生します。

方法1: 仕訳を再出力する(移動平均法向け)

再計算で変動した仕訳を削除し、正しい値で再出力します。

手順: 共通ステップ → ロック済み&仕訳出力済みの取引を「未処理」ステータスに戻す(API連携済みの会計システムの場合、連携済み仕訳が削除される。API連携していない場合は、会計システム側から手動で仕訳を削除)→ 未処理の全取引の仕訳を再出力

採用シナリオ:

  • 会計システム側で締め済み期間への仕訳登録が許容される、もしくは未締めの状態
  • 仕訳出力済みの件数が少なく、全件再出力の作業コストが許容できる
  • 調整仕訳ではなく、正しい値の仕訳で揃えたい

注意:

  • 仕訳ステータスを「未処理」に戻すと、freee会計などAPI連携している場合は会計システム側の仕訳も削除されます
  • 上場企業など、締め済み期間への仕訳登録が許容されないケースもあります。その場合は方法3を検討してください

方法2: 簿価差分を調整仕訳で対応する(移動平均法向け)

既存の仕訳はそのまま残し、事後登録取引の仕訳出力と、RIKYUと会計システムの簿価差分の調整仕訳で整合させます。

手順: 共通ステップ → 事後登録取引の仕訳を出力 → RIKYUと会計システムの期末簿価の差分を調整仕訳として計上

採用シナリオ:

  • 会計システム側で締め済み期間への仕訳登録が許容される、もしくは未締めの状態
  • 仕訳出力済みの件数が多く、全件再出力は避けたい
  • 既存仕訳はそのまま残し、事後登録取引の仕訳と調整仕訳のみで対応したい

注意: 上場企業など、締め済み期間への仕訳登録が許容されないケースもあります。その場合は方法3を検討してください。

調整仕訳の考え方:

簿価と損益は同額の裏表の関係にあるため、トークンごとの期末簿価の差分を調整仕訳一本で振り替えれば整合します。RIKYUの簿価が正しい値なので、会計システム側の簿価をRIKYUに合わせる方向で調整します。

例:
  RIKYUの期末ETH簿価:     3,600,000 JPY
  会計システムの期末ETH簿価: 4,000,000 JPY
  差分: -400,000 JPY(会計システム側の簿価が大きい → 簿価を減少させる)

  調整仕訳:
    借方: 暗号資産売買等損益  400,000
    貸方: 暗号資産(ETH)    400,000

方法3: CSV仕訳出力で仕訳日付を変更して登録する(移動平均法向け)

締め済み期間に仕訳を登録できない場合に、事後登録取引の仕訳日付を未ロック期間に変更して登録します。

手順: 共通ステップ → 事後登録取引の仕訳をCSVエクスポート → CSVの仕訳日付を直近の未ロック期間の日付に修正 → 会計システムに取り込み → RIKYUと会計システムの期末簿価の差分を調整仕訳として計上

採用シナリオ:

  • 月次/期末の締め作業がすでに完了しており、締め済み期間に仕訳を登録できない
  • RIKYUのAPI仕訳出力(会計システム連携)を使うと、取引日時で自動的に仕訳が切られるため、締め済み期間に登録されてしまう。CSVエクスポートであれば日付を手動で修正できる

注意:

  • RIKYU上の取引日付と会計システム上の仕訳日付が異なる状態になります
  • 方法2と同様に、簿価差分の調整仕訳が必要です

取引の削除について(非推奨)

事後登録された取引を削除することも可能ですが、以下の問題が発生するため非推奨です。特別な事情がない限り、上記の方法1〜3での対応を推奨します。

発生する問題:

問題詳細
残高の乖離削除した取引分だけRIKYU上の残高とブロックチェーン/CEX上の実残高が乖離します。翌期の開始残高で差分を調整する必要があります
ウォレット同期による復活ウォレット同期を実行すると、削除した取引が再度取り込まれます。再取り込みを防ぐにはウォレットのアーカイブが必要です
損益の正確性削除した取引が本来損益に影響すべきものであった場合、損益が不正確になります

削除する場合の対処方法:

  1. 取引を削除した後、該当ウォレットをアーカイブして再同期による復活を防止する
  2. 翌期の開始残高を手動で修正し、削除した取引分の数量・簿価を反映する
  3. 必要に応じて、会計システムに開始残高調整の仕訳を出力する

仕訳出力との関係

原価計算方式による仕訳の違い

仕訳の出力方法は、採用している原価計算方式によって異なります。

移動平均法(MAM):

送付・売却取引ごとに、その時点の移動平均取得価額をもとに原価と暗号資産売買等損益を計上します。各取引の仕訳に損益が含まれるため、月次で仕訳を切る運用が可能です。

例: 1 ETH 売却 @ 500,000 JPY(移動平均取得価額 400,000)
  借方: 現金預金        500,000
  貸方: 暗号資産(ETH)  400,000(原価)
  貸方: 暗号資産売買等損益 100,000(損益)

総平均法(WAM):

送付・売却取引ごとの仕訳には暗号資産売買等損益を含めません。各取引は時価で暗号資産を貸方計上するのみです。年度全体の暗号資産売買等損益は、期末時価評価の際に「期中損益合計」として一括で計上されます。

例: 1 ETH 売却 @ 500,000 JPY
  借方: 現金預金        500,000
  貸方: 暗号資産(ETH)  500,000(時価)
  → 損益は期末時価評価で一括計上

期末時価評価の操作方法については下記をご覧ください。

RIKYU期末時価評価機能の使い方

推奨フロー

損益計算を実行し、結果を確認・修正した上でロックし、その後に仕訳を出力する流れが最も安全です。

損益計算 → 結果確認・修正 → ロック → 仕訳出力

ロック後に仕訳を出力すれば、再計算による値の変動リスクがありません。

ロック前に仕訳を出力する場合(移動平均法)

移動平均法では、月次で都度仕訳を切る運用でロック前に仕訳を出力することも可能です。ただし、未ロックの仕訳出力済み取引はその後の再計算で値が変動する場合があります。値を保護するにはロックを設定してください。

総平均法の場合、取引ごとの仕訳に損益は含まれないため、この問題は発生しません。

仕訳出力済みの状態でロックを解除する場合

移動平均法でロックを解除すると、仕訳出力済みの取引も再計算の対象になります。再計算で平均取得価額が変動した場合、会計システムに出力済みの仕訳との間に差分が発生します。会計システム側の状況に応じた対応方法はロック期間内への取引登録の「対応方法」を参照してください。

総平均法の場合、取引ごとの仕訳に損益は含まれないため、ロック解除 → 再計算 → 再ロック後に期末時価評価を再出力すれば整合します。

#transaction-lock #損益計算 #仕訳出力 #会計
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